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歴史の散歩道
寝屋の化け物


 昔、寝屋村の西坂の登り口に、大きな栴檀(せんだん)の木があった。北谷川とタチ川が合流して寝屋川となる所だ。

 ある夜のこと、勘七という若者が婚礼に呼ばれた帰りに栴檀の木の近くまで来たとき、「そこのには化け物が棲んでいる」と聞いたことを思い出した。

 「恐くないぞ」と言い聞かせながら歩いたが、胸はどきどきしてぞうりの足音まで耳に響いた。

 木の下に来たとき「ドサッ」。

 何かが背中にしがみついた。

 「出たっ!」

 逃げようとしたが、ひざが震えて前に倒れた。化け物も前へ投げ出された。

 そいつは、「勘七、よう投げたなあ」と言って闇の中へ消えていった。

 それからますます化け物の悪さはひどくなった。大きなフナに化けて、川の中に引き込んだり、肥壷に落としたりしたが、誰も退治しようと言うものはなかった。

 勘七はひとりで退治する覚悟を決めて、暗くなってから包丁をふところに入れて、栴檀の木に登って待ち構えた。

 しばらくすると葬式の行列がやって来た。提灯を先頭に僧侶が1人、その後に棺桶をのせた輿(こし)を2人でかつぎ、数人がつづいている。

 「こんな夜中に葬式があるはずがない」

 提灯が過ぎ、僧侶が過ぎ、輿が真下にさしかかった時、「この中だ」と察して、包丁を構えて棺桶めがけて飛び降りた。

 「ぎゃっ!」。

 その瞬間、葬式の列はぱっと消えて、包丁は大ダヌキの胸を刺していた。死んでも目はらんらんと光っていた。

 村人は勘七の勇気をたたえた。それ以後、化け物は出なくなった。

 ところが、数年前からその辺りでよくタヌキを見かけるようになった。市が寝屋の森を切り開き、大型ショッピングセンターを誘致する「開発」を始めたためだ。

 自然を壊し、地元の商店をつぶす化け物も、早く退治したい。

寝屋川生活と健康を守る会発行の「守る会ニュース」連載の「歴史の散歩道」より転載しました。
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